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授業情報/Course information

科目名/Course: 食品加工演習/Exercise of Food Processing Technology
科目一覧へ戻る 2024/09/10 現在

授業基本情報
科目名(和文)
/Course
食品加工演習
科目名(英文)
/Course
Exercise of Food Processing Technology
時間割コード
/Registration Code
12230901
学部(研究科)
/Faculty
保健福祉学部
学科(専攻)
/Department
栄養学科
担当教員(○:代表教員)
/Principle Instructor (○) and Instructors
○池口 主弥 , 丸田 ひとみ , 久保 七彩
オフィスアワー
/Office Hour
池口 主弥(月曜日5時限(16:00~17:30)在席時はいつでも対応しますので気軽に研究室に訪問してください。その他、メール等での質問も歓迎します。)
丸田 ひとみ(月曜日5限(オフィスアワー以外でも在室の場合には対応します))
久保 七彩(月曜日5時限)
開講年度
/Year of the Course
2024年度
開講期間
/Term
第2クォーター
対象学生
/Eligible Students
1年,2年,3年,4年
単位数
/Credits
1.0
授業概要情報
更新日
/Date of renewal
2024/03/05
使用言語
/Language of Instruction
日本語
オムニバス
/Omnibus
複数教員担当
授業概略と目的
/Cource Description and Objectives
近年、加工食品の普及とそれらの貯蔵?流通技術の発達に伴い、「食のバイオテクノロジー」にも様々な技術革新が生じている。本演習では、物理的加工、化学的加工のみならず、生物的加工などについて、その技術の理解ができるように「視聴覚教材」なども取り入れ、さらに、加工食品の品質評価のひとつである食品の物性評価に関する実験も交えつつ、食品加工の専門的知識について演習を行う。
履修に必要な知識?能力?キーワード
/Prerequisites and Keywords
1.食品加工における食品成分の変化、それらの相互作用、並びに、加工食品の製造?保存.?流通技術などを中心に「食品加工の基礎的知識」を習得させる。
2.世界的な人口増加や環境の変化に伴い、今後、予想される食糧問題や、食に関する将来の課題を学習させる。
3.加工食品の品質評価としての物性測定法を理解させる。

加工、貯蔵、物性、官能試験
履修上の注意
/Notes
試験やレポートの内容、演習中の質問などの履修学生の「能動的な参加度や理解度」を重視する。
なお、本演習の主旨に基づき、講義(授業)の時間配分などを考慮して実施する。
教科書
/Textbook(s)
「プリント」などの資料を適時、配布する。また「実験」や「視聴覚教材」などを本演習に導入する。
参考文献等
/References
自主学習ガイド
/Expected Study Guide outside Coursework/Self-Directed Learning Other Than Coursework
予習復習をしっかりと実施するように。
本演習で取り扱う食品成分(化学物質)については、他の栄養学科の専門科目(食品学など)において取り上げられる当該物質の構造と機能に関する知識と、連携的かつ学際的に捉えることにより、効果的に学習して下さい。
資格等に関する事項
/Attention Relating to Professional License
管理栄養士養成課程
アクティブラーニングに関する事項
/Attention Relating to Active Learning
本授業では次のアクティブ?ラーニングを採用している。
小テスト、ディスカッション
※振り返りおよび理解度をチェックするために原則毎回小テストを活用する。
実務経験に関する事項
/Attention Relating to Operational Experiences
複数の食品企業において食品開発(特に健康食品?サプリメント、機能性食品開発)業務に携わった経験を活かし、食品加工の実際について指導する。
備考
/Notes
授業計画詳細情報
No. 単元(授業回数)
/Unit (Lesson Number)
単元タイトルと概要
/Unit Title and Unit Description
時間外学習
/Preparation and Review
配付資料
/Handouts
1 1 [粘弾性 ードウとグルテンー]
小麦粉に約50%の水を加えてこねると、粘弾性のある固まりになる。これをドウ(dough)といい、パンや麺類の生地として使われる。加える水が多い場合は流動性のある生地になり、これをバッター(batter)という。
小麦粉に含まれるたんぱく質の85%は水に不溶性のグリアジンとグルテニンであり、水を加えてこねると、これらのたんぱく質の相互作用により、粘弾性のあるグルテンが形成される。この演習ではどのようにグルテンが形成されるか、また、その特性を学ぶことを目的とする。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
2 2 [粘弾性 ーデンプンの種類による特性ー]
芋類は穀物と同様にでんぷんを多く含み、重要なエネルギー源となる食品である。穀類と違い約70~80%の水分を含むため、貯蔵は難しいが、そのまま加熱してもでんぷんが糊化する。
加工でんぷんには様々な種類があり、その中でもじゃがいもでんぷん、甘藷でんぷん、トウモロコシでんぷんは調理などでよく使用されている。でんぷんは元の植物の種類によって異なる性質を持っている。でんぷん液は糊化するとともに粘度が上昇するが、最高粘度に達した後、さらに過熱を続けるとでんぷん粒が崩壊し粘度が低下する。この現象をブレークダウンというがそれぞれのでんぷんによってブレークダウンの大きさがことなる。この演習ではそれぞれのでんぷんの特性について学ぶことを目的とする。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
3 3 [缶詰などの調理加工工程]
加工原料である温州ミカンは日本で一番多く栽培され、食べられているミカンで、果皮がむきやすく、果肉も柔らかい。ミカン缶詰の製造では、内果皮を酸とアルカリで処理して皮をむく。
酸の溶液で内果皮を処理すると不溶性のプロトペクチンが可溶化する。これをアルカリ溶液で中和処理するとペクチンが分解し、繊維質のヘミセルロースが溶出して、内果皮が取り除かれる。この演習では、身近な缶詰における調理加工の工程について学ぶことを目的とする。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
4 4 [凝固剤による特性]
寒天とカラギーナンは海藻から抽出される多糖類であり、ゼラチンは動物の結合組織から抽出されるたんぱく質である。これらは水の中で膨潤させた後、加熱溶解するとゾルになり、ある濃度以上のゾルは冷却すると固まって固体状のゲルになる。
寒天やゼラチン、カラギーナンはこれらの性質から、凝固剤(ゲル化剤)として調理に利用されることが多い。果汁や牛乳などの液体に凝固剤を分散させたゾルを容器に入れて固めたものを「ゼリー」と呼び、他の材料を一緒に固めたものを「寄せ物」という。この演習では凝固剤それぞれの特性を知り、どのような料理や場面ではどの凝固剤が適しているのかを学ぶ。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
5 5 [砂糖の特性 ー加熱による変化ー]
砂糖は甘味を持つ調味料であり、一般的に用いられる上白糖はショ糖(スクロース)と呼ばれ、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が1分子ずつ結合した2糖類。さわやかな甘みが特徴で、その甘味は濃度3~5%の紅茶から10~20%のゼリー、80%のキャラメル、100%近くのドロップなどさまざまな濃度で、それぞれ好まれる。
砂糖溶液中のショ糖分子は水分子に取り囲まれて水和物であるが、糖液を煮詰めていくと水が蒸発して、水和物となっていない自由な水分子が減少し、急に粘度が上昇する。ショ糖分子のあるものは完全に水和することができなくなり、ショ糖分子同士が結合し、会合する。さらに進むと多くの分子が集合した状態になる。集合体が大きくなるとコロイド状のdroplet(滴子)になるが、飽和状態でなければ結晶核としては析出してこない。これが飽和状態になると外部からのわずかな刺激によって結晶核が形成される。この演習では加熱による砂糖の変化について演習を行い、砂糖の特性を学ぶことを目的とする。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
6 6 [官能検査について(五味識別試験)]
食品の風味を人間の感覚によって測定し、これを統計的な処置によって判定する方法を官能評価という。感覚を提供する集団をパネルといい、1人1人をパネリストまたはパネルメンバーという。
 味覚や嗅覚は個人差が大きく、またテスト時の環境や身体状況、精神状態などによって影響されるので、信頼したデータを得るためには①目的に適したパネルを決める、②パネルに与える心理的?生理的影響が極力少ない環境を整える、③的確な官能評価の手法及び統計?解析手法を適用することが必要である。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
7 7 [官能検査について(2点識別?嗜好試験法など)]
食品の風味を人間の感覚によって測定し、これを統計的な処置によって判定する方法を官能評価という。感覚を提供する集団をパネルといい、1人1人をパネリストまたはパネルメンバーという。
 味覚や嗅覚は個人差が大きく、またテスト時の環境や身体状況、精神状態などによって影響されるので、信頼したデータを得るためには①目的に適したパネルを決める、②パネルに与える心理的?生理的影響が極力少ない環境を整える、③的確な官能評価の手法及び統計?解析手法を適用することが必要である。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
8 8 [様々な国の食材の香りと味]
(ア) 原材料?加工方法による味?風味の違いの体験と理解
醤(醤油、魚醤)、チーズ(プロセス、ナチュラル)などの発酵食品は我が国だけでなく、全世界で長い歴史を持ち、加工?製造?利用されてきている。同じ種類?目的の食材であっても地域?文化によって原材料や加工?製造の方法が大きく異なっており、特に発酵食品であればそれぞれ特有の味?風味を呈している。
実際に各地?各国の発酵食品?加工食品を食し、それらの違いや類似性について考察することで、発酵食品?加工食品の製法?特性等についての理解を深める。
(イ) 食文化の多様性の体験と異文化への理解ならびに自国文化の再発見
グローバル化が叫ばれて久しい現代では、旅行や商取引だけでなく、メディアや普段の生活におけるあらゆる場面で異文化に触れる機会が増えてきており、多文化の理解ならびに自国の文化の再認識?理解も必要になってきている。
自国と他国、出身地と他の地域などの食文化の多様性を把握することで、文化全般の多様性を理解し、相互尊重の意識とグローバルな視点を持った人材育成の一助のためにも本演習項目を実施する。
配布された資料を見返し、復習をしておく。 事前もしくは授業中に資料を配布する。
授業評価詳細情報
到達目標及び観点/Learning Goal and Specific Behavioral Viewpoints
No. 到達目標
/Learning Goal
知識?理解
/Knowledge & Undestanding
技能?表現
/Skills & Expressions
思考?判断
/Thoughts & Decisions
伝達?コミュニケーション
/Communication
協働
/Cooperative Attitude
1 加工食品の製造方法と目的を理解し、考察や説明をすることができる。(C-2)
2 食品加工によって味やテクスチャーの違いを理解する。(C-2)
3 食品の特性や調理加工による加工過程や物性の違いについての科学的に理解する。(C-2)
成績評価方法と基準/Evaluation of Achievement
※出席は2/3以上で評価対象となります。
No. 到達目標
/Learning Goal
定期試験
/Exam.
レポート 小テスト 実技 主体性
1 加工食品の製造方法と目的を理解し、考察や説明をすることができる。(C-2)
2 食品加工によって味やテクスチャーの違いを理解する。(C-2)
3 食品の特性や調理加工による加工過程や物性の違いについての科学的に理解する。(C-2)
評価割合(%)
/Allocation of Marks
0 40 20 20 20
評価ルーブリックはこちら

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