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科目一覧へ戻る | 2020/04/02 現在 |
科目名(和文) /Course |
人類学 |
---|---|
科目名(英文) /Course |
Anthropology |
時間割コード /Registration Code |
00A39401 |
学部(研究科) /Faculty |
共通 |
学科(専攻) /Department |
|
担当教員(○:代表教員)
/Principle Instructor (○) and Instructors |
○山口 裕子 |
オフィスアワー /Office Hour |
|
開講年度 /Year of the Course |
2019年度 |
開講期間 /Term |
前期集中 |
対象学生 /Eligible Students |
1年,2年,3年,4年 |
単位数 /Credits |
2 |
更新日 /Date of renewal |
2019/10/01 |
---|---|
使用言語 /Language of Instruction |
日本語 |
共通カテゴリ /Category |
人文?社会科学 |
オムニバス /Omnibus |
該当なし |
授業概略と目的 /Cource Description and Objectives |
人類学は、人類の特有の能力とされる「文化」やそれに深く関わる多様な社会的事象を、現地調査(フィールドワーク)によって具体的に探り、同時に人類そのものの存立基盤を深く問い直そうとする学問である。 グローバル化と複雑化が進む現代世界では、環境問題、人口爆発と超高齢化、ネオリベラリズムによる経済競争の激化と貧富の格差拡大、移民と難民の増大、民族間や宗教間の紛争、自然災害からの復興、情報通信技術の急速な発達による予測困難な社会変容など、さまざまな課題が山積している。本講義では、人間とその社会の理解を目指す「批判的な知」としての人類学のものの見方を出来る限り広範に学んだ上で、現代社会における私たちの生活基盤と諸課題(危機)の在り様を見つめ、積極的な問題解決を目指していく。 |
履修に必要な知識?能力?キーワード /Prerequisites and Keywords |
(1) 人類学の主要理論とフィールドワークの方法の理解。これらの展開を歴史的に跡付け、近代思想の諸特徴を捕捉する。 (2) 私たちが自明視し、その中で暮らしている基盤を問い直すために、「アジア」と言う枠組みを再考する。アジアという概念の成立過程、内部の生態環境や生業をはじめとする社会、文化的多様性と共通性の所在を検討する。それにより、普段あえて思考の対象とすることなく、当然視してその中で生きている社会的枠組みを問い直し考えてみたい。 (3)「家族」「環境と開発」「紛争と平和」「災害と回復」などの現代的な諸課題へのアプローチ。様々な社会的文脈における具体的な現象を捕捉し、それらの比較検討を通して、人間社会を支える倫理や規範、正義等について再考する。 (4) 以上を通して、個別具体的な事象を理論に照らして理解する視点と、ものごとを批判的に検討する視点、それらに基づいて具体的な課題への解決策を見いだす力を陶冶する。 |
履修上の注意 /Notes |
積極的な受講、つまり講義の内容を自身の身近な社会的事象に批判的に援用して理解したり、検討する姿勢を重視する。 |
教科書 /Textbook(s) |
特に指定しない。講義で参照した資料については指示する。 |
参考文献等 /References |
適宜講義内で指示する。 |
自主学習ガイド /Expected Study Guide outside Coursework/Self-Directed Learning Other Than Coursework |
講義内で使用した資料をよく復習するとともに、講義内で指示があった参考資料に目をとおしたり、関連する事象について新聞やインターネットで調べるなどして、考えを深化させること。 |
資格等に関する事項 /Attention Relating to Professional License |
特になし。 |
備考 /Notes |
No. | 単元(授業回数) /Unit (Lesson Number) |
単元タイトルと概要 /Unit Title and Unit Description |
時間外学習 /Preparation and Review |
配付資料 /Handouts |
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1 | 1 (1) | [人類史と学の誕生] 社会人類学の誕生の背景を、西欧の近現代史に跡付ける。 |
私たちの思考様式異に、いかに西洋近代的な「人間観」「自然観」の影響が見て取れるか省みること。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
2 | 2(2) | [方法論と主要理論] フィールドワーク、文化相対主義と普遍主義、ポストコロニアリズムなどの思想的潮流を再検討する。 |
身近に起こる事象に対して、文化相対主義的評価の可能性を考える。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
3 | 3(3) | [人類の社会性と文化の多様性] 社会的動物としての人の特徴を主に類人猿との比較に基づき考察する。 |
身近な家族の事例に基づき、その普遍性と多様性を考察してみる。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
4 | 3(4) | [人類の社会性と文化の多様性] 社会集団としての人間の家族の普遍性と多様性を同時代の通社会的な比較に基づき理解する。 |
身近な家族の事例に基づき、その普遍性と多様性を考察してみる。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
5 | 3(5) | [人類の社会性と文化の多様性] 社会集団としての人間の家族の普遍性と多様性をある社会の異なる時代を通時的に比較して理解する。 |
身近な家族の事例に基づき、その普遍性と多様性を考察してみる。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
6 | 4(6) | [社会的枠組みを再考する] 民族、国家といった社会的枠組みの特徴と、歴史的誕生の経緯を学ぶ。 |
私たちの周囲で自明視されている人間を分ける範疇を相対化してみる。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
7 | 4(7) | [社会的枠組みを再考する] 人種概念の構築性について批判的に検討する。 |
人間を分ける範疇を相対化し、差別の構造を検討する。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
8 | 5(8) | [アジアとは何か] アジアの多様な生態環境と社会的特徴を捕捉する。特に牧畜民が果たした歴史的役割を通して現代のグローバリゼーションを相対化する |
オリエンタリズム的構図は克服されたのか、現代社会にも存在するのかを検討してみる。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
9 | 5(9) | [アジアとは何か] アジアの多様な生態環境と社会的特徴を捕捉する。特に焼畑と環境問題の背景にある西洋とアジアの自然観の差異を検討する |
オリエンタリズム的構図は克服されたのか、現代社会にも存在するのかを検討してみる。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
10 | 5(10) | [アジアとは何か] アジア概念の誕生とオリエンタリズムの歴史的生成と現在を考える。 |
オリエンタリズム的構図は克服されたのか、現代社会にも存在するのかを検討してみる。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
11 | 6(11) | [越境するアジア] アジア文化の越境の動態を考察する。とくに海外で受容される日本のポップカルチャーとそのローカリゼーション過程を検討する。 |
講義内で課したミニ?レポート課題をすること。講義内で紹介した映像資料などを鑑賞して復習する。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
12 | 6(12) | [越境するアジア] アジア文化の越境を考察する。国際人口移動と親族ネットワークの変容にみるアジア文化の動態を考える。 |
講義内で課したミニ?レポート課題をすること。講義内で紹介した映像資料などを鑑賞して復習する。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
13 | 6(13) | [越境するアジア] 「アジア」文化の越境や拡大について、欧米でのチベット仏教の展開を例に、受容する側の理想の投影も視野に考察する。 |
講義内で課したミニ?レポート課題をすること。講義内で紹介した映像資料などを鑑賞して復習する。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
14 | 7(14) | [現代人間社会へのアプローチ] 開発と自然?社会環境の変化と私たちの関与について考察し、人類文化の多様性と共通性を再検討する。 |
講義内で指示した文献に目をとおして復習すること。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
15 | 7(15) | [現代人間社会へのアプローチ] 争いと平和について、生活における秩序と法に注目して考察し、人類文化の多様性と共通性を再検討する。 |
講義内で指示した文献に目をとおして復習すること。 | 講師が作成したレジュメを配布する。 |
16 | 8(16) | [期末試験] 期末試験 |
講師が作成する |
No. |
到達目標 /Learning Goal |
知識?理解 /Knowledge & Undestanding |
技能?表現 /Skills & Expressions |
思考?判断 /Thoughts & Decisions |
伝達?コミュニケーション /Communication |
協働 /Cooperative Attitude |
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1 | 社会人類学の主要理論と方法論を人類学と背景となる西洋近現代史に位置づけて捕捉する | ○ | ○ | |||||
2 | 私たちが生きる「アジア」を事例に、その内部の社会的?生態学的多様性とアジア概念の成立過程を歴史的に理解する | ○ | ○ | ○ | ||||
3 | 周囲の人へのショートインタビューや日常の生活空間の中でフィールドワークを実践し、身近な事象を比較文化的視点から観察する力を養う。 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
4 | 個別具体的な事象を理論に照らして理解する力を養う。 | ○ | ○ | ○ |
No. |
到達目標 /Learning Goal |
定期試験 /Exam. |
授業内での小テスト | 授業内での課題 | |||
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1 | 社会人類学の主要理論と方法論を人類学と背景となる西洋近現代史に位置づけて捕捉する | ○ | ○ | ||||
2 | 私たちが生きる「アジア」を事例に、その内部の社会的?生態学的多様性とアジア概念の成立過程を歴史的に理解する | ○ | ○ | ||||
3 | 周囲の人へのショートインタビューや日常の生活空間の中でフィールドワークを実践し、身近な事象を比較文化的視点から観察する力を養う。 | ○ | |||||
4 | 個別具体的な事象を理論に照らして理解する力を養う。 | ○ | ○ | ||||
評価割合(%) /Allocation of Marks |
70 | 20 | 10 |